初めて、その『光』という舞を観たときに涙が出そうだった。
ホームページに載せられた動画。
ただ一人、瞑想舞を設立した香織さんがそこに座ったまま、静かに舞う姿…
今でこそ、瞑想舞を代表する舞である『光』。
画面越しに初めて観たそれは、ただただ美しくて私は、ずっと観いってしまっていた。
そこには所作が美しいのもあるけれど、何より、舞手自身の内側から溢れるものが伝わってくるようだったから…。
誰かに見せる、評価される…それ以前の自分の中から湧き出るものと向き合って育む…そんなまっすぐな舞だった。
そんな舞を自分も体験してみたい…
そんな舞ならできるかもしれない…
そんな気持ちで、瞑想舞の門戸を叩いたのはもう7〜8年前にもなる。
今でこそ全国に瞑想舞のたくさんの仲間がいるくらいになったけれど、その当時は立ち上げた香織さんに生徒は私一人。
舞う曲は『光』ただひとつ。
その後舞手も増え、新しい群舞が生み出されてゆくのだけれど…。
舞というものに触れたことがなかったし、当時は仕事でなかなか稽古に伺える時間も少なかったので、教えるのもとても苦労したと思う(笑)。
舞を始めてすぐ、瞑想舞の一番最初となる神社さんへの奉納があり、その2ヶ月後に私と香織さんのご縁に繋がった出羽三山での奉納が決まった。
瞑想舞から香織さんと私、そして香織さんの旋回の師匠であるEmineさんにMaiaさん、共に素晴らしい舞手の方々。
その方々と一緒に瞑想舞の舞手として『光』を、それからシンギング・リンという楽器を舞に乗せて奏でさせていただいた。
羽黒山伏(松聖でもある)の星野先達の御厚意により出羽三山三神合祭殿という三山すべての神々がいらっしゃる神前での奉納舞。
人前で、神前で舞うことなど経験をしたこともなくしかも、香織さんと一緒に舞うときは背合わせ…
そして、実際に訪れたことのある人はわかると思うけれど、その拝殿の空間の大きさに圧倒されるのだ。
直前まで、緊張でいっぱいで間違ってしまったらどうしようと不安もよぎったけれど、その場が来ると舞が始まる頃にはそんな想いもすぅと消え
ただただ「私」が神々の前に在る
ただただその懐のなかで『光』を舞う…
静かに拡がる空間に共に在るー
その後、たくさんの寺社仏閣で舞えることになるけれど、どの場所も素晴らしい空間ではあるけれど、その後も何度も出羽三山にも足を運ぶけれど…
やはり、初めてのその時の『今』は今でもずっと、ここにある。
大切な大切な時間…
これから初めて奉納舞をする
そして、何度も舞ってきた人にとっても
この瞬間は一度だけ。
そんな想いで『光』を舞う。